売れ残り住戸があるマンションは要注意!

マンション完成後の売れ残り住戸(=完成在庫)が多いと次のことが懸念されます。

■売れ残り物件の管理費は売主が負担

倒産売れ残り住戸の管理費等は、売主であるマンション分譲業者が負担することになります。

売れ残りが多いと、支払う管理費の金額は馬鹿にならず、マンション分譲業者の負担が大きくなります。その結果、毎月の支払が困難となり、滞納管理費を発生させる恐れがあります。

売主である分譲業者から仕事をもらっている管理会社は、なぁなぁで積極的な督促をしません。

■管理組合の財政難を招く

売主であるマンション分譲業者が管理費等を滞納すると、予定通りの管理費収入が得られず、管理組合の収支が赤字になります。

このような場合、売れ残りが多いほど、マンション会計にダメージが大きくなります。発足したばかりの管理組合では、理事会活動がままならず、気付いた時には膨大は滞納金額があったと言うことがありえます。

■駐車場等専用使用料の収入減少

売れ残り住戸が多いと、当然居住者が少なくなります。

最近のマンションは駐車場の設置台数が多いのが特長で、管理費の収支は、駐車場収入を大きく当て込んで積算されています。

居住者が少ないと駐車場契約者は減り、あてにしていた駐車場収入が得られず、マンション会計を圧迫します。

管理費等の滞納と違って、空き駐車場の収入減少分は取り戻すことができません。

■マンション分譲会社(デベロッパー)の倒産

売れ残り住戸の管理費等を滞納するようなマンション分譲業者は、経営が困窮していますので、いつ倒産しても不思議ではありません。

マンション分譲業者が倒産すると・・

マンション分譲業者が自助努力による再建が困難になると、倒産の手続きをしますが、その多くは会社更生法や民事再生法の手続きを申請します。

■会社更生法

ディベロッパー倒産法の一つで、経営困難ではあるが再建の見込みのある株式会社について、事業の維持・更生を目的としてなされる会社更生手続を定めるために制定された法律です。

失敗した企業に、条件付でもう一度チャンスを与えるような制度で、管財人と呼ばれる機関が企業財務を管理し、売れ残り住戸の管理費等は支払われるとともに、建物のアフター保証についても倒産後も滞りなく行なわれます。売れ残り住戸の管理費等は、売主であるマンション分譲業者が負担することになります。

■会社更生法が適用されない場合

会社更生法の適用なしにマンション分譲業者が倒産すると、滞納した管理費等は債務整理後に新しく決まった区分所有者が負担することになります。

分譲業者の借金は数億円にのぼります。債務整理が長期化する場合が十分に考えられ、倒産する前の管理費等滞納金に加えて、倒産後売れ残り住戸の毎月の管理費が入らないことになります。入るべき収入がないとマンション会計は赤字となり、管理組合運営がままならない状態が続きます。

90年バブル崩壊後売れ残り住戸を抱え売主が倒産したリゾートマンション等では、管理員が雇えず建物がスラム化したり、必要な点検作業を行なえなかったり、電気代・水道代を払えなかったりする事例が数多く見られました。

また、倒産によりマンション分譲会社が存在しなくなるので、建物のアフター保証を受けられなくなります。