総会前に、特定の組合員の承諾を得なくてはならないこと(管理規約第47条関係)

以上の議事が、一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、総会前に該当する組合員の承諾を得なくてはなりません。

例えば、駐車場不足を解消するために、2階建の立体駐車場の設置を計画した場合に、一部の住戸だけ、駐車場を新設することにより、騒音、日照、通風等の影響を及ぼす可能性があるとします。

いくらマンションの決め事は総会の多数決でと言っても、住環境を悪化させることは許されるものではありません。また、影響を及ぼす住戸に対しては事前に十分な説明をし理解を得る努力が必要になります。そこで、総会で決議するにあたり、この影響を及ぼす住戸を所有している組合員に対して事前承諾が必要になります。

役員の好き嫌いとか、管理組合運営方法に対する批判等の感情論で提案が拒否されては管理組合運営に支障を来たします。そこで、この特別の影響を及ぼす組合員が、「承諾しない」と言う回答をするには、正当な理由が必要なのです。

招集通知の発送時期招集通知発送方法招集通知記載事項

理事長以外の総会招集

総会出席者の資格賃貸居住者の総会出席

議決権とは?共有名義の議決権行使|代理および書面による議決権行使

総会の成立要件と普通決議特別決議

議事録の作成

標準管理規約原文より

第47条(総会の会議及び議事)

1 総会の会議は、前条第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない。

2 総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。

3 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。

 一 規約の制定、変更又は廃止
 二 敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)
 三 区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起
 四 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
 五 その他総会において本項の方法により決議することにした事項

4 建替え決議は、第2項にかかわらず、組合員総数の5分の4以上及び議決権総数の5分の4以上で行う。

5 前4項の場合において、書面又は代理人よって議決権を行使する者は、出席組合員とみなす。

6 第3項第一号において、規約の制定、変更又は廃止が一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。

7 第3項第二号において、敷地及び共用部分等の変更が、専有部分又は専用使用部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分を所有する組合員又はその専用使用部分の専用使用を認められている組合員の承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。

8 第3項第三号に掲げる事項の決議を行うには、あらかじめ当該組合員又は占有者に対し、弁明する機会を与えなければならない。

9 総会においては、第43条第1項によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができる。

<標準管理規約コメント> 第47条関係

@ 第2項は、議長を含む出席組合員(書面又は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数で決議し、過半数の賛成を得られなかった議決は否決とすることを意味するものである。

A 特に慎重を期すべき事項を特別の決議によるものとした。あとの事項は、会議運営の一般原則である多数決によるものとした。

B 区分所有法では、共用部分の変更に関し、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議(特別多数決議)で決することを原則としつつ、その形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更については区分所有者及び議決権の各過半数によることとしている。建物の維持・保全に関して、区分所有者は協力してその実施に努めるべきであることを踏まえ、機動的な実施を可能とするこの区分所有法の規定を、標準管理規約上も確認的に規定したのが第47条第3項第二号である。

C 第1項に基づき議決権総数の半数を有する組合員が出席する総会において、第2項に基づき出席組合員の議決権の過半数で決議(普通決議)される事項は、総組合員の議決権総数の4分の1の賛成により決議されることにかんがみ、例えば、大規模修繕工事のように多額の費用を要する事項については、総組合員数及び議決権総数の過半数で、又は議決権総数の過半数で決する旨規約に定めることもできる。

D このよう規定の下で、各工事に必要な総会の決議に関しては、例えば次のように考えられる。ただし、基本的には各工事の具体的内容に基づく個別の判断によることとなる。

 ア)バリアフリー化の工事に関し、建物の基本的構造部分を取り壊す等の加工を伴わずに階段にスロープを併設し、手すりを追加する工事は普通決議により、階段室部分を改造したり、建物の外壁に新たに取り付けしたしして、エレベーターを新たに設置する工事は特別多数決議により実施可能と考えられる。

 イ)耐震改修工事関し、柱やはりに炭素繊維シートや鉄板を巻きつけて補修する工事や、構造躯体に壁や筋かいなどの耐震部材を設置する工事で基本的構造部分への加工が小さいものは普通決議により実施可能と考えられる。

 ウ)防犯化工事に関し、オートロック設備を設置する際、配線を、空き管路内を通したり、建物の外周に設置したりするなど共用部分の加工の程度が小さい場合の工事や、防犯カメラ、防犯灯の設置工事は普通決議により実施可能と考えられる。

 エ)IT化工事に関し、光ファイバー・ケーブルの敷設工事を実施する場合、その工事が既設のパイプスペースを利用するなど共用部分の形状に変更を加えることなく実施できる場合や、新たに光ファイバー・ケーブルを通すために、外壁、耐力壁等に工事を加え、その形状を変更するような場合でも、建物の躯体部分に相当程度の加工を要するものでなく、外観を見苦しくない状態に復元するのであれば、普通決議により実施可能と考えられる。

オ)計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上防水工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベーター設備の更新工事は普通決議により実施可能と考えられる。

カ)その他、集会室、駐車場、駐輪場の増改築工事などで、大規模なものや著しい加工を伴うものは特別多数決議により、窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事、既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事は普通決議により実施可能と考えられる。

E 建替え決議の賛否は、売渡し請求の相手方になるかならないかに関係することから、賛成者、反対者が明確にわかるよう決議することが必要である。

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