建替の経費に修繕積立金を充当することができます(管理規約第28条関係)

建物が老朽化した際に、修繕で建物を延命する方法と、建替えるという二つの選択肢があります。建替えを進めるにあたっては専門家の手助けが不可欠で準備段階から費用が発生します。

そこで、建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査の他にも建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、その経費に充当することができます。

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▼修繕積立金の有効活用

標準管理規約原文より

第28条(修繕積立金)

2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替えの円滑化等に関する法律(以下「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合(以下「建替組合」という。)の設立の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、修繕積立金を取り崩すことができる。

<標準管理規約コメント> 第28条関係

B 円滑化法に基づく建替組合によるマンション建替事業における建替えまでのプロセスの概要は、円滑化法の制定を踏まえ作成された「マンションの建替えに向けた合意形成に関するマニュアル」(平成15年1月国土交通省公表)によれば、次のとおりである。

 A.建替え決議までのプロセス

 (ア)準備段階:一部の区分所有者から建替えの発意がなされ、それに賛同する有志により、建替えを提起するための基礎的な検討が行われる段階であり、「管理組合として建替えの検討を行うことの合意を得ること」を目標とする。

 (イ)検討段階:管理組合として、修繕・改修との比較等による建替えの必要性、建替えの構想について検討する段階であり、「管理組合として建替えを必要として計画することの合意を得ること」を目標とする。

 (ウ)計画段階:管理組合として、各区分所有者の合意形成を図りながら、建替えの計画を本格的に検討する段階であり、「建替え計画を策定するとともに、それを前提とした建替え決議を得ること」を目標とする。

 B.建替え決議後のプロセス

 (ア)建替組合の設立段階:定款及び事業計画を定め、都道府県知事等の認可を受けて建替組合を設立する段階。

 (イ)権利変換段階:権利変換計画を策定し、同計画に関し都道府県知事等の認可を受け、権利変換を行う段階。

 (ウ)工事実施段階:建替え工事を施工し、工事完了時にマンション建替事業に係る清算を行う段階。

 (エ)再入居と新管理組合の設立段階:新マンションに入居し、新マンションの管理組合が発足する段階。

C Bのプロセスのうち、BのA(イ)及び(ウ)の段階においては、管理組合が建替えの検討のため、調査を実施する。調査の主な内容は、再建マンションの設計概要、マンションの取壊し及び再建マンションの建築に要する費用の概算額やその費用分担、再建マンションの区分所有権の帰属に関する事項等である。

D Bのプロセスのうち、BのB(ア)の段階においては、修繕積立金を取り崩すことのできる場合があることを定めたのが第2項である。

E Bのプロセスによらず、円滑化法第45条のマンション建替事業の認可に基づく建替え、又は区分所有者の全員合意に基づく任意の立替えを推進する場合であっても、必要に応じて、第1項及び第2項、又は第2項と同様の方法により、修繕積立金を取り崩すことは可能である。ただし、任意の組織に関しては、その設立時期について管理組合内で共通認識を得ておくことが必要である。

F 建替えに係る調査に必要な経費の支出は、各マンションの実態に応じて、管理費から支出する旨管理規約に規定することもできる。

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