工事監理・アフター・一級建築士|大規模修繕工事の進め方5

生活上の我慢を伴う大規模修繕工事。居住者の理解、協力が必要!

住みながら工事を行なう大規模修繕

分譲マンションの改修は「住みながら工事が行われる」ため、

  • 騒音
  • 足場設置による日照、通風、圧迫感のストレス
  • 通行規制
  • 犯罪者の侵入の心配
  • 電気・ガス・水道の使用制限(設備改修時)
  • ペンキ、溶剤等の匂い

等により、居住者へ生活上の我慢を強いることになります。ただ、工事を粛々と進めていけばよいわけではなく、きめ細かな対応をすることが求められます。居住者等の協力、理解を得ることができなければ、工事の進行に影響をおよぼします。

工事説明会|大規模修繕工事会社選定の進め方1

工事開始前に、工事説明会を開催します。工事会社や工事監理者(コンサルタント)の説明が中心になります。

  • 生活に影響※する事項を知らせる
  • 子供、女性、高齢者と、様々な立場の居住者に理解が得られるよう、専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明する
  • 窓口の告知(一本化することが望ましい)

※生活に影響する事項とは?

  • 工事騒音および振動
  • バルコニーの利用制限(荷物をおけない・洗濯物が干せない)
  • 通行の規制(廊下・階段・エレベーターの利用制限)
  • 給水・排水の使用制限
  • 工事車両の進入
  • 足場・養生シートの設置
  • 資材置き場、ゴミ置き場、仮設トイレ・水道、現場事務所の設置
工事の広報|大規模修繕施工業中

エントランス等に専用の掲示板を設置し、工事情報(工程表、ベランダ使用の可否表等)を周知します。また、重要事項は全戸に案内文を配布。専用ポストを設置し、意見・要望・苦情を聴取しコミュニケーションを図ります。なお、工事前は近隣への挨拶も必要です

手抜き工事を防ぐためには管理組合によるチェックが必要

大規模修繕について、工事内容や金額などについて入念に検討を重ねても、実際に「施工会社が仕様書通りに施工をしてくれるかどうか」が最終的には大きなポイントとなります。

定例会議の開催

月1、2回の頻度で、理事会(修繕委員)、工事会社、工事監理者(コンサルタント)が出席し、工事の進捗状況の確認、居住者からの苦情・意見・要望の対応方法、追加工事および設計変更の協議等の打ち合わせを行います。

定例会議は議事録を作成し、会開催後速やかに結果を全戸に周知します。

理事会(または修繕委員会)による工事パトロール

専門家に工事監理を依頼している場合でも、管理組合として現場を確認することが必要です。バルコニーの周り等は居住者の協力によりチェックをする等、全員参加の検査が望ましいでしょう。なお、検査は、必ず工事会社の許可をもらい、安全対策(ヘルメット等の着用)を行ったうえで、工事個所に立ち入るようにしましょう。

検査の実施

工事が完了する前に、施主である管理組合は検査を行います。まず、足場を外す前に検査を実施します。なお、管理組合の検査前に、工事会社および工事監理者による検査を実施させ、その結果を報告させます。

不具合が見つかった際は、期日を指定し手直しを依頼し、是正が終われば、再検査を行います(指摘事項が少数、軽微な場合は、写真による報告でも可)

全ての工事が終われば竣工検査を行ない、不具合個所が是正されれば、工事が完了します。

工事終了後は・・・

全ての工事が完了後、1ヶ月以内に日程を決め、施工会社が作成する竣工書類を受け取ります。竣工書類引渡し時に併せて工事完了報告会を開催することも良いでしょう。竣工書類引き渡しが終われば最終工事代金を施工会社へ支払います。

大規模修繕で培ったノウハウを日常管理に活かす

これで今回の改修は終わりになりますが、大規模修繕工事は一回で終わりではありません。次の大規模修繕工事を見据えて、今回の経験を生かして日常管理をしっかり行っていきましょう。

  • 長期修繕計画の見直し:今回の工事内容を反映して計画書・資金案の修正を行います。
  • 竣工図書の保管:管理事務室や集会室の書庫に入れ、大切に保管します。
  • 日常修繕:次回大規模修繕まで適切に建物を維持するために中期的な修繕計画を立案します。
  • アフターサービス:工事会社が定期的な検査を行います。検査は管理組合が立ち会います

マンション管理支援事務所の第三者工事品質監理業務

工事監理は、管理組合が決めた内容どおりに施工会社が工事を正しく行われているか監督することで、手抜き工事を防ぎ、工事品質を向上させる大切な業務です。

具体的には、改修工事仕様書に基づく施工状況の確認・指示・検査 並びに変更がある場合の対応、トラブルが生じた際の調整作業等を行います。

専属の現場監督がいるのに、なぜコンサルタントによる工事監理が必要なのか?

いくら立派な工事計画を立てても、工事がその通り施工されなければ意味がありません。管理組合が心配される「手抜き」の問題は、ほとんどが「工事中の品質チェック」の不在に起因します。つまり、施工業者がいくら良心的に施工しているつもりでも、第三者的な目で工事の推移をチェックする機関がいないと、満足の行く結果とはなかなかなりません。

仕様書どおりに工事をすれば、欠陥工事・手抜き工事は生まれません。元請となる施工会社には、 現場に「現場監督」を置いて、チェックをしています。しかし、この現場監督は、元請となる施工会社の社員です。つまり、内輪のチェックをしているわけですので、どうしても、「甘え」や「なれあい」が生じ、公正なチェックは成り立ちにくくなっているのが実情です。

マンションにお住まいの方が、手抜き工事であることに気付くのは、工事が終わって問題が発生してからのこと。そして、なかなか直してもらえなかったり、追加工事の請求をされたりしてしまうのです。

手抜き工事をさせないためには、「仕様書どおりに工事が行われているか」を、公正な第三者であるプロの眼でチェックすることです。「公正な第三者であるプロ」とは、元請となる施工会社に従属しない工事監理者を指します。これは、発注者の管理組合が施工会社とは別に依頼するしかありません。

第三者であるプロが監理をすれば、ミスや手抜きを発見できることはもちろん、施工会社の対応も違ってきます。これは、「きちんと仕事をするしかないな」と思うからです。本当は、どんな些細なことでも「きちんと」仕事してもらわなければ困るのですが、ラクができる環境ではさぼってしまうのが人間なのでしょう。

工事監理業務|大規模修繕
  • 工事説明会立会い
  • 施工業者との工程、工法、安全管理等の打ち合わせ
  • 材料・仕様チェック
  • 実数精算項目のチェック
  • 現場巡回監理
  • 工事進捗状況の確認
  • 定例会議出席
  • 中間検査・竣工検査
  • トラブル時の交渉、調整
  • 引渡し書類確認
  • アフターサービス立会
工事監理のメリット|マンション管理支援事務所

1.マンション管理総合コンサルタントが厳しくチェック

工事業者と設計事務所は同じ建設業界に所属。どうしてもなあなあになりがちで業務に甘えが生じやすいのです。当事務所はマンション管理総合コンサルタント出身の一級建築士事務所です。建築業界に一定の距離を置き、工事関係者との慣れ合いを排除し、監理者として施工会社に毅然とした対応を取ります。

2.改修に強い一級建築士が担当

一級建築士は新築設計のエキスパートですが、資格取得の段階で、改修について詳しく勉強しているわけではありません。現場の経験と、改修の知識、そして管理組合への支援を求められる大規模修繕においては、改修に強い一級建築士が役に立つのです!

3、 マンション管理士と一級建築士が共同作業

一級建築士は技術面で秀でていても万能ではありません。管理組合アドバイザーで、かつ大規模修繕のノウハウ豊富なマンション管理士が居住者の視点に立ったサポートを行います。例えば・・・居住者からの苦情があった際は、設計事務所は逃げ腰で、すぐに工事業者や管理組合に対応を押し付けがちです。当事務所は、むしろトラブル時には積極的に間に入り、問題解決に努めます。 また、住んでいる方のストレスを極力減らすよう気配りを行ないます。当事務所では重要な局面(定例会・検査)においては、改修に強い一級建築士とマンション管理士が同席し、いっしょに対応します。

→大規模修繕の進め方|1管理組合の準備体制2工事発注方式の選択3劣化診断4改修設計5施工業者選定6工事中