安くて良い工事会社を選ぶ|大規模修繕工事の進め方5

信頼できるパートナー「施工業者」を選ぶ

施工業者の種類

建設業の許可は一般建設業と、特定建設業に分かれ、3000万円以上の元請工事を受注する場合特定建設業の許可が必要です。管理組合と直接契約する施工業者を元請と言います。

  • 管理会社
    日常管理を委託する管理会社です。元請になります。
  • 総合建設業
    新築工事を主にする施工会社です。元請になります。
  • 大手改修専門業者
    年商50億を超える改修専門業者で大型物件の改修をメインに手掛けます。現場監督の派遣を行い、職工は抱えていません。元請または管理会社の下請になります。
  • 中堅改修専門業者
    資本金5千万以上1億円未満、年商20から50億円で小中規模物件の改修をメインに手掛けます。現場監督の派遣を行い、職工は抱えていません。元請または管理会社及び総合建設業の下請になります。
  • 小規模改修専門業者
    資本金1千万以上5千万円未満、年商5から20億円。現場監督の派遣を行い、職人を抱えている会社もあります。主に管理会社、総合建設業者、中堅・大手改修専門業者の下請になります。
  • 専門工事業者
    資本金1千万以下。職人を抱えています。主に下請、孫請けとなります。
  • 一人親方
    個人事業主の職人で、主に孫請け、ひ孫請けとなります管理会社

それぞれの施工業者には特徴があります。

マンションに合った施工会社の種類を選択し、必ず複数の業者(最低3社)から見積を取るようにしましょう。

そして、見積各社の業務内容を総合的に分析、金銭面だけにとらわれることなく信頼できる施工会社と契約できるようにします。

工事業者選定は、重要なポイントです。決定までの経過は透明性(ガラス張り)が求められます。「業者と癒着しているのでは?」あらぬ疑いをかけられるよう、選定に至るまでの経過は全て公表し、組合員の理解を得やすいものでなくてはいけません。

施工会社として手を上げる管理会社はあくまでも候補会社の一社として考える

管理会社お任せ方式を採用する場合であっても、適正価格であるかをチェックするために、管理会社を介さず複数他社から見積を取ることが大切です。管理会社経由で合い見積を取ると、協力関係にある工事会社に管理会社が指示した金額を提示させると言った価格操作が行われます。PM方式やCM方式と言った形態も同様な懸念があります。

▼管理組合の不安を解消!専門家が失敗しない業者選定をサポート

共通仕様書作成|大規模修繕工事会社選定の進め方1

見積内容は施工会社ごとに明細の書き方が異なります。

各社の自由形式による見積提出で、提案力を見定める方法もありますが、同じ条件による金額比較ができません。(例:金額が安い見積もりは、仕様・数量・明細が違う(質が悪い)ことが考えられる)

そこで、見積項目およい数量を統一した共通仕様書を作成し、同条件で見積を提出してもらう作業が必要です。

共通仕様書は、設計事務所等のコンサルタント会社が作成します。(詳しくは改修設計業務のページをご覧ください。)

見積を依頼する工事業者を探す|大規模修繕施工業者選定2

見積を取る工事業者を探します。

  • 区分所有者の推薦※注意がありますので、こちらをご覧ください
  • 第三者からの紹介
  • 専門誌・インターネット・掲示板を利用した公募
  • マンションを施工した工事業者
  • 管理会社

リストアップする工事業者が多すぎると選定に時間と手間がかかります。

工事の「プロ」と言えども、技術力、得意分野、実績等の実力差はピンキリです。会社の売上高、実績等の条件を付け、見積依頼する施工業者の数は最低でも3社、多くても10社くらいにすることをお勧めします。

現地調査・説明会|大規模修繕施工業者選定

理事会・修繕委員主催で工事業者をマンションを招き見積の概要を説明します。その後、見積にあたって現地調査を施工会社が行ないます。指定期日までに見積を提出するよう依頼します。

POINT!現地説明会は候補会社を一時に集めて行う一斉方式は参加業者が各社知ることになり談合の原因になります。時間と手間はかかりますが、各社時間をずらして調査・説明会を開催することをお勧めします。

書類審査・選考|大規模修繕施工業者選定

まずは見積・提案書を比較する書類審査を実施し、候補会社を絞り込みます

【書類審査のチェックポイント】

  • 工事仕様・数量・単価に不適切はないか?
  • 見積項目に抜け(漏れ)がないか?
  • 提出書類に不備がないか?
  • 高すぎ、安すぎはないか?金額の妥当性の判断
  • 居住者の安全面、生活面に配慮した提案が盛り込まれているか?
  • 工事完了後のアフターフォローの体制はしっかりしているか?

POINT!施工業者を選ぶ方式は二通りです。

1、競争入札方式
共通仕様書をもとに複数の会社が入札し、原則として最低見積を提示した工事会社と契約します。

2、合い見積方式
複数の工事業者から見積を取り寄せ、金額、会社の規模、実績等を総合的に検討し、一番良い工事業者を選びます。

入札方式は競争の原理から考えると理想的な方法ですが、ダンピング合戦による工事品質の低下(手抜き工事)を招きます。

金額だけではなく諸条件を加味し業者を選定する、合い見積方式を採用することをお勧めします。

書類選考|大規模修繕施工業者選定5

書類(見積書・提案書)審査だけでは、工事会社の取り組み方、考え方を十分に知ることができません。そこで、工事会社を招き、管理組合と面談(プレゼンテーション会)を行い、もっともふさわしいと思われる施工会社を選びます。面談は、営業マンの他に実際に現場を担当する予定の現場責任者に参加してもらいましょう。(営業マンは仕事を取りたいために、大げさな表現で自社をアピールしすぎるあまりに、契約後「言った言わない」の誤解が発生します)。なお、プレゼンテーション会は透明性を図るために、組合員ならどなたでも参加が出来る公開制にすることが望ましいでしょう

【工事業者選定の判断基準】

  • 工事実績:安心して任せられるか?
  • 技術力:工事品質が確保できるか?
  • 売上・経営審査評点:倒産のリスクはないか?
  • 提案力:安くて良い修繕の実現できるか?居住者のストレスが少ないきめ細かい対応ができるか?
  • 金額:コストパフォーマンスが高いか?
  • 管理組合とのコミュニケーション力:管理組合の要望、期待に応えられるか?
  • アフター保証:長い目で建物を守ってくれるのか?
総会で施工業者を決定|大規模修繕施工業者選定5

STEP5までの手続きにより、候補となる施工会社が絞ることができたら、総会で決議を行います。

大規模修繕工事の議決要件は、管理規約の定めによって異なるので、必ず条文を確認しましょう。議決要件を間違うと、決議が無効になる可能性があります。

平成16年以降の標準管理規約に倣った規約であれば普通決議、平成16年以前の標準管理規約に準じているなら特別決議が必要です。

総会では事前に次の要綱を通知した上で、採決を取りましょう

【総会議案書に記載する事項】

  • 工事範囲及び仕様(工事の数量・材料工法)
  • 見積金額
  • 工程
  • 発注工事業者
  • 工事業者選定過程(複数から見積を取ったなら金額の開示。工事業者が選ばれた理由)
  • 工事中に理事会に一任すべき事項(予算内の追加工事の決定等)

マンション管理支援事務所の施工業者選定補助業務

工事業者選定に透明性・客観性を確保します

工事会社を選ぶ意思決定は、管理組合に委ねられます。
管理組合が気付きにくい見積審査・工事内容・施工体制のチェックや、面談・業者選定のアドバイスは、専門家の助力を得ることをお勧めします。

大規模修繕は、何千万円、物件によっては億単位の工事です。必要な部分は専門家のチェックを受け、失敗のリスクをなくしましょう。

マンション管理支援事務所が行う「業者選定補助業務」の内容

  • 見積依頼候補工事会社のリストアップ補助(公募作業の手伝い、資料作成)
  • 現場説明会立会い
  • 施工業者への質疑応答
  • 見積書・提案書・提出書類のチェック・精査
  • 業者比較表作成
  • 選考会の企画調整、資料作成、同席、アドバイス
  • 総会・企画調整、資料作成、同席、アドバイス
  • 必要に応じ再見積依頼、業者との折衝・交渉

大規模修繕工事コンサルタント

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